君に届け
わからない…
池澤がそんなに葛城先生を敵視する意味が…
そう言えば、池澤と葛城先生は恋敵なんだっけ?
「池澤…」
「ん?」
「葛城先生に聞いたんだけどさ…」
「うん…」
葛城先生の名前を出すと、ますます元気がなくなる池澤。
「アンタと葛城先生がさ、恋敵だったって…ホント?」
"恋敵"
その言葉を聞いた途端、池澤は目を丸くした。
「いつ…聞いた?」
「アンタと職員室で別れてすぐだよ。」
「そうか…」
池澤は、しばらく考えるように空を見上げた。
「確かに…真先輩と俺は恋敵だった。事実だよ…」