君に届け
えっ?
「言えない…」
それほどのことを、葛城先生は愛奈さんにしたんだ…
「そっか…」
詳しくは聞かない。
辛そうにしてる池澤に、これ以上聞けないよ…
「大丈夫だよ…あたしは愛奈さんとは違う。」
「幸村…」
「何があったのかはわからないけど、あたしはあたし。愛奈さんは愛奈さん。違う人間だから…」
葛城先生に対する疑問は尽きないけど…
これだけは、胸を張って言うことが出来る。
あたしはあたし。
愛奈さんとは違う…
「だから安心して?葛城先生はあたしに興味なんて示さないって…」
仮にもあたしと葛城先生の関係は、生徒と教師。
この境界線を、越えることは絶対にないはず…