君に届け
「それからずっと親しげに話してくるしさ…」
嫌じゃないけどねと付け加えてあたしは言った。
「ふ〜ん…私はさ、池澤先生が穂波と話す時、他の生徒と話す時とは違う気がするんだけど…」
まぁ、違うよね…
異様に笑顔だし。
怪しまれるのも、当然と言っちゃえば当然かも…
「そんなことないよ。」
「うん…」
綾芽は少し顔を歪めて、納得がいかない様子。
「席ついて〜!」
その時、ドアを開けて池澤が教室に入ってきた。
あっ…
宿題忘れた…
池澤の姿を見た途端、宿題があったことを思い出した。