君に届け
それからも授業は続き、解の公式というものを習った。
池澤曰く、これが使えるようになれば因数分解は完璧らしい…
「う〜ん…もうすぐチャイム鳴るから終わるか…教科書の問題を宿題にするから、必ずやってくるようにな!じゃあ、終わります。」
授業が早く始まった分、少し早めに終わった。
池澤が教室から出て行き、やっと授業が終わったことを実感する。
「ねむ…」
次の授業は…
なんだっけ?
「疲れたぁ〜!ホント、数学って眠いよね…」
綾芽が後ろを振り向き、あたしに言う。
「そうだね…」
「次も次だよ…数学の後に理科は虐待だって…」
虐待って、そこまではいかないと思うけどさ…
次は理科…か。