君に届け



送信完了画面を確認し、携帯をしまう。



ここの学校は、生徒が携帯を持ち込むことを禁止している。



バレたら没収。
池澤は黙認してくれてるけど…



もう1度携帯を開き、電源は切らずに、サイレントに設定したことを確認。



着信音が鳴ったら命取りだからね…



池澤…気付くかな?



「幸村。」



名前を呼ばれ、鞄から視線を上げる。



「ちょっと話あるから…いい?」



みんながいるせいなのか、まだ葛城先生は教師の顔をしている。



これが一変したりするのかな…?



「はい。」



葛城先生に疑問を抱きつつ、返事をする。



今はまだ、他のクラスは授業中の時間。



ひょっとしたら、池澤はどこかで授業をやってるかもしれない。



これを狙ったの?
池澤が邪魔して来ないようにする為に…







< 49 / 282 >

この作品をシェア

pagetop