君に届け
もしかしたら、これがイケの新たな一歩に繋がることだったのかもな…
いつかこいつの中で、愛奈を上回る存在が現れることを祈る。
俺も…
頑張らないとな。
「先輩…俺、わかった。過去にしがみつくのはいけないことだ…」
「うん…」
絶対にとは言い切れないものの、俺は肯定する。
「時間はかかると思う。でも、少しずつ…前に進んでいきたい…」
イケは、俺の目を真っ直ぐに見つめて言った。
その目には、もう過去を振り返ったりしないという決意が現れているような気がする。
愛奈…
これでいいか?
喜んでるよな、お前も…
イケは前に進めるはず。
そして、俺も…