君に届け
『お前が悪いんだろ。俺を怒らせた罪は大きいから、覚悟しとけよ…』
池澤は、明日の授業で、あたしを指名する気満々のようだ。
このままでは、明日が大変なことになる…
「…そんなことするなら、学校休むから。」
あたしはまず、拗ねてみることにした。
『はぁ!?指名だけで学校休むのかよ…』
「あたしは昔から数学が嫌いなの…だから休む。」
あたしがそう言うと、池澤はしばらく無言になった。
『お前、数学嫌いだったの…?』
何気に落ち込んだような雰囲気を醸し出しながら、池澤は言った。
「うん…」
数学っていうか、算数から嫌いだし。
『そっか…なら、指名はやめてやる。』
「マジ?」
数学が嫌いと言っただけで、池澤は大量指名攻撃を断念したようだ。
『でも、その代わりに強制補習な。』
は…?