君に届け



『お前が悪いんだろ。俺を怒らせた罪は大きいから、覚悟しとけよ…』



池澤は、明日の授業で、あたしを指名する気満々のようだ。



このままでは、明日が大変なことになる…



「…そんなことするなら、学校休むから。」



あたしはまず、拗ねてみることにした。



『はぁ!?指名だけで学校休むのかよ…』



「あたしは昔から数学が嫌いなの…だから休む。」



あたしがそう言うと、池澤はしばらく無言になった。



『お前、数学嫌いだったの…?』



何気に落ち込んだような雰囲気を醸し出しながら、池澤は言った。



「うん…」



数学っていうか、算数から嫌いだし。



『そっか…なら、指名はやめてやる。』



「マジ?」



数学が嫌いと言っただけで、池澤は大量指名攻撃を断念したようだ。



『でも、その代わりに強制補習な。』



は…?





< 75 / 282 >

この作品をシェア

pagetop