君に届け
強制補習…?
『俺がお前の口から数学好きだって言わせてやるから。』
解放されたと思いきや、突然提案された補習。
「他に受ける子は?」
『いない。だって、ついさっき思いついたことだし…俺とお前だけ。』
嘘だぁ…
指名も嫌だけど、池澤と2人っきりで補習も…
『どっちも嫌とかなしだから。指名か補習か、2つに1つ!』
あたしの気持ちを読み取るように、素早く付け加える池澤。
どうしよう…
「…補習。」
悩んだ末に、あたしは強制補習の方を選んだ。
授業中に答えられなくて恥をかくよりは、補習の方がいいかなと思った。
『よっしゃ!決まりだな。じゃあ、明日からな♪』
「明日!?」
『当たり前だろ…空いてる教室探しとくから、また明日学校でな。じゃ!!』
そう言うと、池澤は電話を切った。