君に届け
「最悪…」
補習とか、普通にあり得ないでしょ…
嫌いとか言うんじゃなかったかな…?
講師でも、池澤は一応数学教えてる訳だし…
自分が教えてる科目を嫌いって言われたら、嫌な気持ちになるよね…?
あたしの口から数学好きだって言葉を言わせてやるって言ったのはそのせい?
「はぁ…」
数学なんて、小学校時代の算数から嫌なのに…
今更好きになれるなんて思えないよ…
池澤は本気だし、逃げることは出来なさそう。
諦めて補習に行かないといけないかな…
あたしは、ふと通学鞄から数学の教科書を取り出した。
パラパラと捲ってみる。