君に届け
どれもこれも、数学に苦手意識を持つあたしにはうんざりする程に嫌なもの。
今のところはまだ中学で習ったことの繰り返しだから、マシに思えるんだけど…
「もういや…」
見てるのも嫌になり、あたしは教科書を閉じた。
教科書を閉じて、ふと考える。
池澤の補習を受ければ、この苦手意識も少しはなくなってくれるかな…?
あたしの数学のテストの点数は中学の頃、いつもと言っていい程20点前後だった。
高校でこの調子だと、赤点になるし…
赤点を連続で取り続ければ、留年になってしまう可能性がある。
それは嫌だ。
なら、素直に補習を受けに行こう。
留年しない為なら…
頑張れるはず。
あたしは、ついに補習に行くことを決意した。