君に届け
沈黙が続く─
いつの間にか、周りにいた人の声も聞こえなくなり、静けさが増す。
「珍しいな…」
しばらくして、その沈黙を破った池澤。
珍しい…?
「なにが?」
「黙ってたら大体の奴は何か話すだろ?お前は違うんだな…」
黙ってるのが嫌いとか、そんなのがないからね…
「うん…」
「お前、喋るの嫌いだったりする?」
「いや…」
ただ単に、自分以外の人には興味がないだけ…
「へぇ〜。俺、黙ってるの嫌いだから、喋っていい?」
「どうぞ…」
あたしは冷たく答えた。
勝手に1人で喋ってればいいじゃない…