君に届け
さすが理科準備室…
中には、人体模型や実験に使うビーカーなどの用具がたくさんあった。
「うわぁ…」
あたしの後に入ってきた池澤も、驚きの顔。
「こんなとこで補習する訳…?」
実験器具はいいけど、この人体模型…
なんだか、自分が見られてるように感じて怖い…
「なに?幸村、この人体模型が怖いってか?」
人体模型を見つめていたあたしに、池澤が言う。
「別に…そんな訳ないじゃん。」
強がってみたものの、池澤には見破られたみたい。
怪しげな目付きであたしを見る池澤。
「まぁいいか。じゃあ、始めるぞ♪」
そう言って、池澤は準備室の奥から机と椅子を持って来た。