君に届け



池澤は持って来た机に教科書やノート、プリント類を置いて、あたしに椅子に座るように言った。



それに従い、あたしは椅子に座る。



あたしが座ったことを確認すると、池澤は胸ポケットから眼鏡を取り出してかけた。



池澤の眼鏡姿…
見るのは今が初めて。



あたしは眼鏡フェチとかそんなんじゃないけど、一瞬眼鏡姿の池澤をカッコいいと思ってしまった─



「なに?」



「え?」



あたしは無意識のうちに池澤を見つめてたみたい…



不思議そうにあたしの顔を見る池澤。



「そんなに見つめられると恥ずかしいんだけど…俺が眼鏡かけてんのが変?」



「いや…別にいいんじゃない?眼鏡…」



自分なりに眼鏡姿を誉めてみる。



「そっ…か。たまには眼鏡もいいかな…それより、補習始めるぞ!」






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