君に届け
それから、その話題で少し話して休憩を終えた。
「休憩し過ぎたな…じゃあ、次は答え合わせ!」
解答のプリントを貰い、自分で採点していく。
「どう?」
どうって聞かれても…
あたしは採点が終わったプリントを池澤に見せた。
「これは…」
修正だらけのプリント─
池澤も少し困惑顔…
「困ったな…この辺りで躓いちゃうと、これから先の勉強ヤバいよ?」
「だから数学は嫌い…」
あたしの漏らした声に、敏感に反応した池澤。
「数学嫌い…か。なんか、自分自身が嫌われてるような感じがする…」
「は?」
「俺は昔から数学が大好きだから…そんな自分を否定されてるみたいな、そんな感じ。」
「なんか…ごめん。」
池澤が数学大好きなことはよく知ってる。
だから…
なんか、罪悪感を感じた。
頭ごなしに数学を否定してる自分が、嫌だった…