君に届け
「え…」
「掃除してないし、結構汚いけど…それでいいなら。」
すごい展開になった…
あたし自身もビックリ。
「…行く。」
あんな家に帰るくらいなら、こっちの方がいい。
「マジで…?」
本気にすると思ってなかったのか、池澤は驚いている。
「マジ。」
「…そっ…か。俺はいいけど、本当に大丈夫なのか?」
「何が?」
「何って…もしお母さんが家にいるなら…」
「いないって、絶対。」
あの人も散々自分勝手に行動してるんだから…
あたしも、ちょっとは勝手にしてもいいでしょ?
「…わかった。とりあえずここ出よう。
職員室寄ってくるから、先に駐車場行ってて。
場所わかるよな?」
「うん…」
こうして、池澤の家に行くことになったあたしは、理科準備室を出た。