君に届け
確かにそうだよ。
認めたくないけど、あたしにとっての『お母さん』はあの人しかいない。
お父さんと同じように…
「俺はお前のこと何も知らないし、口出し出来る立場にはいない。でもな、お前のお母さんはたった1人なんだよ…」
信号が青になり、車が発進し出す。
「幸村。もし、お母さんがいなくなったらってこと考えたことある?」
車を運転しながら、池澤はあたしに質問した。
「ないよ…いつもいないのが普通だし。」
「そうか…じゃあ、お前にとってお母さんの存在は何だ?邪魔か?いらない存在?」
あたしは考える。
あの人が、あたしにとってどのような存在なのか。
改めて聞かれると、即答出来ない…
「…わかんない。」