君に届け
意味深な言葉を残し、池澤は車を止めた。
「ここ…?」
窓から見えるマンションを指差し、あたしは聞いた。
「うん。俺ん家、ここの7階だから。」
そう言って車から降りた池澤に習い、あたしも車から降りる。
ここって…
あたしの家のだいぶ近くにあるマンションだよ…
もう少し進んだ辺りにあたしの家がある。
池澤が意外と近くに住んでたことに驚く。
「ねぇ…」
「ん?」
「さっきの後悔って…」
エレベーターを待っている時、あたしは池澤に聞く。
「…言葉通りの意味。後悔だけはするなよって、俺からの忠告だ。」
池澤が言い終わったところでエレベーターが来た。
エレベーターに乗り、池澤は7階のボタンを押す。
後から乗り込んだあたしは、池澤の背中を見ながら思う。
後悔だけはするな…