ハイスクールラブ
真奈美は拒絶されてもまだ諦めなかった。

まだ時間はある。
紘季だって、生徒でなければきっと自分を好きになってくれたはずだ。
でなければあんな風に自分を抱くはずがなかった。

学校では普通に生徒と接する紘季の裏の顔を知っているのは自分だけだという優越感も長くは続かなかった。


放課後、窓際でちほとお菓子を食べながら話す。

「ちほさぁ・・・前にけっこうな年上と付き合ってたじゃん。どうだった?」

ちほは腰までの長い黒髪に指を滑らせた。

「どうだったって?セックス?」
「いや・・・まあ、それもだけど、なんつーか・・・やっぱり大人ーって感じだった??」

真奈美は身を乗り出して聞いた。
ちほは新しいお菓子を開けて答えた。

「んー・・・。年上でもあんまり変わんないよ。子供だなーって思うこと多かったし。確かに働いて経済的には自立してたかも知んないけど、精神的にはあんまり歳の差感じなかったけどなー。セックスも普通だった。」

ちほの精神年齢が高いのでは・・・と真奈美は内心思った。
しっかり者でいつでも相談役である。
違うクラスの子もちほに相談にやってくる子は多かった。

(歳の差感じるし・・・。それ以前にかなり距離を感じるんですけど・・・。)

「何?真奈美、もしかして藤くんのこと本気なの?」

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