ハイスクールラブ
第二章 拒絶
「ヨォ、真奈美、金貸して」

真奈美は無言で恵太の手を叩いた。

「イッテー・・・!」

恵太は真奈美の元彼だ。紘季を好きになる1ヶ月程前に恵太の浮気が発覚して別れた。
浮気相手は別の学校の同い年の女の子だった。今はその子と付き合っている。
それがわかった時は真奈美はとても悲しくて号泣した。
胸が苦しくて辛くて恵太との思い出を思い出しては泣いていた。

しかし、それから3、4ヶ月しかたっていないというのに、もう今ではすっかり心は
紘季に向かっている。恵太のことは何とも思っていない。
こうやってなれなれしくかまってくるのがうっとうしいくらいだった。

「なんだよ、生理か?」

キヒヒと恵太は笑った。

「・・・・」

真奈美は恵太の短い茶色の髪を眺めた。
前は元気いっぱいの恵太が大好きだった。
恵太の勢いあるキスやセックスを思い出した。

(藤くんと比べると・・・やっぱり子供だって思ってしまう・・・)

真奈美はため息をついて顔を背けた。

「おい、真奈美ィ、なんだよソレ。おい、デブ!」

(あー~~もー~~!本っ当に子供!)

なんでコイツをあんなに好きだったんだろうと真奈美は内心毒づいた。

「あのさぁ、あんた、真奈美にヒドイことしといて、よくそうやって話しかけられんね」
ちほが呆れた風に言った。

「一時のアヤマチを真奈美が許してくれなかったんダロ。俺は今でも真奈美が好きだぜェ~」

そう言って真奈美の肩を抱いた。

「やめてよ!!」

クラスのみんなが驚いて真奈美を見る。
真奈美も自分でも驚くほど大きな声を出してしまっていた。

恵太の顔が真剣に怒った顔になる。

「んだ、てめえ・・・」

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