ハイスクールラブ
時計を見ると、11時だった。
紘季は眠っている。熱を計る。

(38.3・・・少し下がった。)

真奈美は少しホッとして紘季を見た。
でもこれからまだ上がるかもしれない。
タオルを換えた時だった。

「まだいたんだ」

紘季が目を覚ました。

「気分どお?」

紘季はゆっくり起き上がり、ポカリをごくごくと飲んだ。

「さっきよりはマシかな。」

真奈美はもう一杯ポカリを注いであげた。それもあっという間に飲み干した。

「11時か・・・帰らないで平気なの?・・・平気なわけないか。」
「ううん、平気。うち、放任だから。」

紘季はふーん、と言ってトイレに向かった。先ほどよりは確かにマシに見えた。

「なんか腹へったな。それ、食べようかな。」

そう言ってうどんを食べようとした。

「もう冷めてるよ。温めてくる。」

紘季はいーよと言ったが、真奈美は取り上げてキッチンに向かった。

真奈美は火をつけてニンマリ笑った。紘季が普通に話してくれることが嬉しかった。
紘季は腹へったと言いながら、半分ほどしかうどんを食べなかった。
ごちそうさまと言ってタバコに火をつける。

「ちょ・・・何やってんの!タバコなんてやめときなよ!」

真奈美は咄嗟に取り上げた。

「なんだよ、返せよ。今日一本も吸ってないんだから。」
「あたりまえじゃん!咳ひどいのに何考えてんの!?」

真奈美は灰皿に擦り付けて火を消した。

「あーぁ、余計ダルくなった。」

紘季はどさっとベッドに横たわった。
すねた紘季が可愛いくて真奈美は微笑んだ。

(いつまでも一緒にいたいな・・・)

苦しいほどにそう思った時だった。

ピンポーン

突然インターホンが鳴る。
真奈美と紘季が目を合わせる。
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