ハイスクールラブ
翌々日、紘季は回復して学校に来た。

相変わらずの態度だったが、病み上がりだからか、少し元気がないように見えた。
くみこも特に変らない態度だったが、真奈美が見つめていることに気がついているはずなのに、目を合わせることはなかった。

紘季が全てと言った言葉に嘘はない。
紘季が自分を愛してくれるならなんでもすると思っている。

(6月29日・・・・きっと、あの日に何かあるんだ・・・)

真奈美は6月29日にRAUに行こうと決めた。




6月29日ー。

学校が終わると、すぐに家に帰り、支度をした。

「あんた、受験生じゃないの?遊ぶのもいいけどさ、勉強もちゃんとしなよ。」

姉の部屋に再び免許を借りに行くと、いつものように注意された。
わかってるよ、と言って去ろうとすると、待てと呼び止められた。

「これ、彼にもらったんだけど、私いらないからあげるよ。」

そう言って香水の瓶をくれた。

ブルガリのブラック。

女の子向けじゃないのではと思ったが、匂いを嗅ぐと真奈美の好きな匂いだった。
ありがとうと言って受け取る。

早速今日つけていこう。シュ・・・と振りかける。
紘季は今日はきっとRAUに行っている気がする。真奈美はさっそうと家を出た。

RAUに着くと、少し雨が降り始めていた。
急いで店に入る。
ソファには紘季はいなかったが、重田が座っていた。

「しげちゃん!」
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