『夢のつづき…』
隆が時計を見た…
『可奈…、そろそろ、出ないか…』
『えっ…』
食後のコーヒーが運ばれてきたばかりだった…
私の返事を聞く間もなく、隆は席を立ってしまった…
店を出て、隆はすぐにタクシーを止めると私を乗せた。
隆も乗ってくるものと思い、奥に移動した時、隆はドアから素早く離れると、…じゃ…っと手を上げた。
『明日…なっ…』
半ば強引にタクシーに乗せられた気がしたけど…
私がうなずくと同時にドアが閉まった。
走り出した車内から私はずっと、振り向いた状態で隆を見ていた…
隆は一度もこちらを見ることなく、携帯を掛けながら、小走りに大通りを渡っていった…