『夢のつづき…』
彼女は涼だけを目指しているから周りが見えてないんだ…
ちょっとフラついた彼女に涼は手を差し伸べた…
体を支えられた彼女は嬉しそうに微笑む…
私はとっさに背を向けた…
胸が締めつけられる思いがした…
さっきぶつかった腕が痺れてジンジンする…
涼の前でぶつかったのが私じゃなくてよかった…
きっと涼の手は彼女に差し伸べられるだろう…
あらためて思い知る現実…
来なければよかった…
そんな思いが腕の痛みと重なる…
人混みを抜けて、会場を出た所のロビーの壁に寄り掛かる…
一気に疲れが押し寄せた…