夢(ほし)職人ムムと悪魔の鏡
を集めたかい?」



老女は、鬼の様な形相でムムに詰め寄ります。 



「はい。それで全部です」
ムムは、怯える事なく冷静な態度で答えます。



「…………」


老女は、ムムの瞳を探る様に見つめました。

アメジストの様な綺麗な色をした澄んだ瞳。ムムの瞳に嘘は見られません。



「……なら、おかしいね……」



ムムの真っ直ぐな眼差しに嘘がないとわかった老女はそう言って、自分のあごを掻きました。




「最近、やたら夢(ほし)が少ないね……? だからなのかね、街全体が沈んでいるのは」


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