夢(ほし)職人ムムと悪魔の鏡
そう言って、老女は窓から外を見つめました。



ムムも彼女にしたがって外を見つめます。



街全体を美しい夕陽が包みます。

石畳には街灯の影が伸びて、日が沈むのを告げています。



どこからか教会の鐘が聞こえてきます。 



いつもの街なのに、確かに活気がないな……とムムも思いました。



「あっ……」


茜色に染まる空に一点黒い鳥が飛んできました。



それに、気付いたムムは声を上げました。


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