あたしのDarling!!!
朝倉君朝倉君…!!!
確かにクリスマスツリーの前に二人はいた。
名前は同じだけど
全然似てない二人が一緒にいた。
「もうツリー点灯してるし…」
時計を見ると、短針が9時になっている。
「もう絶対いないじゃん…!!!」
お店も閉まりはじめてて、人の数も減ってきていた。
テレビ局も見当たらない。
「…すいません」
あたしが話し掛けたのはテレビを見ていたときにツリーを紹介していたリポーター。
まだテレビ局の人はいたみたいだ。
「なにか?」
「えっと…髪が真っ茶色で、身長が180くらいの二人組見てないですか?」
考えてもそれくらいしか出てこなかった。
「正直そんな人いっぱいいるからなあ…」
「ですよねえ…」
無理かなあ。
そう思っていたときそのリポーターさんは声を張り上げた。
「そうそう。私がリポートしたコ!ツリー点灯の合図を一緒にしてくれたの。二人組で、一人がショウくんって言ったかなあ…」
ショウ。
しょーちゃん…
朝倉君だ!!!
「その二人どこへ行ったか知りませんかっ」
必死にあたしは聞いた。
もし二人を見つけても、何を言うかなんてなんにも考えずに。
「そこまではわからないわ。ごめんね」
「あ、いえ。ありがとうございます」
素早く深くおじきをすると、あたしは館内に向かって走った。