あたしのDarling!!!
「山梨さん。こないだはありがとね」
「う、うん…」
苦し紛れの愛想笑い。
「あのさ」
あたしは言った。
「好きだとか言ってくれたのは嬉しいんだけどっ」
少し朝倉君の顔が変わった。
「この前は嘘ついちゃったんだけど、あたし好きなひといるんだよね。だから朝倉君があたしを想ってくれても……答えられない」
言っちゃった。
すると朝倉君の顔がこわばる。
「ごめ…」
「いいよ。想ってても」
「…え?」
「山梨さんが好きな奴のこと想っててもいい。だからオレは山梨さんのことを想ってる」
初めて言われた。
少し胸が熱くなって、チクリ、と傷んだのは事実。
またあたしは断ることが出来ない。
「じゃあね、またっ」
朝倉君は、手を振りながら笑って走って行った。