キズ

誤解

数日後。ここから少しずつ私の高校生活が崩れていく。
「トイレ行こー」
この日も千昌と教室を出た。千昌を待っていると派手な顔立ちなのに小柄で、少しポッチャリした子が私に話かけた。
「裕子ちゃんだよね?」
私は何だろうと思いうなずいた。
「メアド教えて~」
「あ、うん。いいよ」
何で急に?と思いながらその子の隣を見ると黒川さんがいた。この子達何かたくらんでる?失礼にもそう思ってしまった。
その日、帰りの電車でボーッとしているとメールが届いた。
「麻美で~す!登録よろしく☆」
私は気になってることを聞きたかったからすぐに返信をした。
「よろしく!でも何で私のアド聞いたの?」
数分後
「可愛かったから♪」
なんだこの理由…と思ったが高1ならよくある話だ。友達増やすのが目的で自分と系統の似た子にアド聞いて形だけの友達になってグループ広げていこうというものだ。
麻美は可愛いしリーダー的存在だから仲良くなればこれから楽しいし中学時代みたいに嫌な思いする事ないだろうと思った。
それに麻美から声をかけられたこと、お世辞だろうけど可愛いって言ってくれた事で少しだけ自分に自信が持てた。気がした。
ふと用を思い出し久々に直樹にメールをしてみた。
「学校どう?でさぁ明日放課後暇だったら先輩の部活に呼ばれてるから一緒に行かない?」
すぐに返事が来た。
「いいよ。1組だよな?じゃぁ放課後1組の隣の階段で待ち合わせな!」
翌日が待ち遠しかった。
その日の夜お風呂でトリートメントしたりお風呂上がりにパックしたりとしっかりケアをした。
別に直樹が好きと言うわけではない。私は同じクラスの大川君の事が好きだから。単に男友達という感覚が嬉しかった。
翌日いつもよりルンルンで学校に向かった。
「おはよ!」
秋田さんにはじめて声をかけられた。秋田さんは人見知りがなく皆に声をかけていた。男友達も多くて羨ましかった。
この日は1日が長く感じた。
やっと放課後。直樹を待っていた。1組隣の階段は人通りが多くていろんな人にジロジロ見られた。人が少なくなってきた時に
「お!」
直樹が来た。直樹と先輩の部活を見に行った。やっぱり人見知りの私は少し恥ずかしくてあまり喋れないまま時間が過ぎバイバイをした。
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