僕の中の十字架
言えた!
やっと言えた!
でかしたボク!
と、内心感涙しつつも、北村さんの反応を待ちました。
器用な事に、彼女は顔色を白くし、そして赤くし、最終的にはパステルピンクとい普通はちょっと難しい顔色になりました。
そして怒ったような表情で、
「え? え? え――っと?」
「チャン・○ンゴンみたいな言い方が良かった?」
「それはそれで物凄くやだ。―――えっと、総合すると、貴様が、私を好き?」
「貴様? ―――総合も何もそれが全て」
「ああ、なるほど!なるほどねぇ〜って、うそつけェェ! 私を気に入りのキャバ嬢と間違えてんじゃねぇ!!」
「うっ!?」
さすがにこの反応は想定外。
どうしよう、生まれて初めて自分からマジで告白して、こんな酷い事言われて、しかも証拠(キャバ嬢の名刺&会員カード)があるから反論も出来ないなんて。
北村さんと正反対の下半身不制御野郎は目に涙を浮かべました。
男ってそんなもん、人生そんなもん、めげてはいかん。
「べ、別に間違えてはいないけども……」
「へぇ―――え? “ゆりあちゃん”がそれ聞いてたら泣くんじゃない? ふぅ――――ん? 女なら誰でもいいってか!! このスク水野郎!!」
「着てねぇぇ……!! それに、“ゆりあちゃん”は俺、いやボクの姉さんです! 会員カードも作らされたんだモン!」
何だよ、それならそうと早く言えば良いものを。
下半身不制御は一応虚言でしたね。
「“モン!!”じゃねぇ! お前ってヤツは何でそれを黙ってた!?」
同感です。
「つーか姉ちゃん居たのか! 華麗なお水の花道歩いてるつええ姐ちゃんが! 他には!? まさかお前の母ちゃんは歌舞伎町の女王か!? ああ!? お前実は警察じゃないとか言う気か!―――――まぁ、それは納得できるがね」
がーん。
そこは納得すんなよ。
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