僕の中の十字架
少し前に、ぼくの学校の図書室での本の借り方が変わり、前は逐一自分のカードと本の後ろに張り付けてあるカードに名前と本の題名を書いて、図書委員に見せて印鑑を押してもらうシステムが、今は本の裏表紙に貼ってあるバーコードと児童各々に配られたカードにあるバーコードをパソコンで読み取り、その人がまだ前に借りた本を返してなかったりしなければ、借りることが出来る。


本の貸し借りを行う際、スーパーにあるのと同じバーコードリーダーを使用するので大変便利だ。


「サエ……」

「ん?」

「去年の九月から借りてる本がまだ返されてないぞ」

「…………」

「“本能寺の変〜信長の為に最後まで戦い抜いた勇士・森蘭丸〜”“本能寺の変の秘密”“歴史に残る戦い・川中島の戦いは真か偽か”“日本の城安土桃山時代”“三国・戦国時代の女神達”五冊全部」


一度に五冊まで借りられる。
っていうか、五冊とも歴史がらみ………。


「い、いい今はそんな話してない!野田さんの―――……」

「そうだね、でも関係あるから。ここ図書室そしてぼく図書委員」

「…………」



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