僕の中の十字架



「一体誰が、こんな……」



××病院内は明け方五時近くだというのに、半分近くの部屋に明かりが点いており、人も多かった。



私は“野田泰子”と書かれたネームプレートの部屋の中に居た。

ネームプレートに書かれた名を持つ人は、もう居ない。



「酷いですね」



隣の富士原が言った。



「うん」
















野田小夜子の両親も殺された。







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