僕の中の十字架
サエは、目の前のクロエの背中に問掛けました。
「ね、クロ。――……起きてる?」
そっちかよ!! なんか違う!!
「あ、うん。起きてる」
クロエは慌てて振り返って、ベッドの端にちょこんと座りました。
「そっかぁ、わたしはねー、もームリ」
ぱたり。
言った直後にベッドに倒れ込んだサエでした。
自分を押し倒すつもりかと錯覚したクロエは、
「ぬぉっ!?」
即座に場所を開けました。
というか、逃げました。
クロエの脳内で必死に呼び掛ける良心。
サエはその気じゃない!
眠いだけだよ!?
もしその気があってもまだぼくらには早いよ!
先走り過ぎて可愛いとしか思えない。
ええ、自分のキャラに萌える作者は、もう駄目かも知れませんね。
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