僕の中の十字架
ソレが何を意味するか解ってない子供には酷すぎる回答でした。
まあ、それは置いといて。話進めます。
「ほら、朝御飯食べ――――」
「食べる」
「―――るならさっさと手伝いやがれ早起きしたなら」
「…………ハイ」
「ぅおはよー」
「おはよー」
「おはよう、父さん」
パンダ柄パジャマでリビングにやってきた父さんに挨拶した。
っていうか、何だそのパジャマの柄は。
テーブルには朝食があり、ぼくはもう食べ始めていた。
のそのそとテーブルの椅子に座り、ゆっくりと寝惚けながらもきちんと朝食を食べる父さん。
青の瞳を収めた瞼は半開き、金髪はボサボサ、口をパカッと開いて食べ物を入れ、子供っぽくもぐもぐする。
ちょっと変だけど、何処か愛嬌があって憎めない人だ。
こんな人が精神科医だと誰が思うだろうか。
「んぅ?ふぁに?」
口に詰め込んでぼくに訊く。………頼むから全て飲み込んで。
「父さんみたいな人が、よく医者出来るなって思った」
「しつれーな、こーみえてとーちゃんはー、とーちゃんはー…………ふわわわわ………」
漫画みたいな欠伸をする父さんから大きく目を逸らし、ぼくは時計を見ながら立ち上がった。
「ぼく、学校行ってくる」
.