僕の中の十字架

見事な尻に敷かれっぷりに、耐えられないとでもいうように天井を見上げる富士原さん。



「「クロエ君(クロ)も行くよね」」


「……………はい」



結局、ぼくも敷かれた。



「車回して来ます……」


「富士原」


「はい……?」


「私にも奢れ」


「え、命令? 何を? ちょ、順子さ」


「名前で呼ぶな! ―――ラテのグランデ生クリーム乗せとスコーン三つ」


「食い過ぎですよ」


「黙れ」





< 71 / 133 >

この作品をシェア

pagetop