僕の中の十字架
独身貴族の北村さんは、わりとお洒落でわりと豪華なマンションを買い、住み始めて5年くらいです。
どうやら、一生独身で生きる覚悟で此処に腰を据えてるみたいです。
だから今でも処じ――…
「死ね」
ゴメン、悪かったって。
クロエの担任と同じ2LDKのロフト付きですが、こちらの方が豪華です。
北村さんは玄関に近い部屋に入り、ロフトへの梯を上りました。
ロフトは軽く5畳あり、そこに寝床があります。
本当にブルジョアなんだからもう………。
マットレスに倒れ込み、足元でぐちゃぐちゃになっていた布団を引っ張り上げて被り、端は全て体の下に入れ、体を丸めればホラ、巨大饅頭に見えなくもない。
狭い毛布空間の中、濃い溜め息を吐くこと30秒。どんだけ息吸ったんだよ。
別に、慰めてくれる男もなくて一人人肌恋しく体をほてらせているわけではありません、へこんでるだけです。
しばらくボケーッと考えごとやら何やらループする思考を持て余していたら、少しずつ瞼が重くなり―――