僕の中の十字架
〈neptune〉
―――
――――――
―――――――――
「で、なんで“野田さんのハサミ”がここに?」
「なんでって、その“野田さんのハサミ”が先生の首の後ろに」
「え?」
「刺さってたやつです」
「え?」
「刺さってたやつです」
「え?」
「刺さってたやつです」
「…………」
「今、貴女が持ってるハサミは、先生の首の後ろに、刺さってたやつです」
「で、でもコレ、“野田”って―――……」
「書いてありますな」
「確かに意外鋭い――……」
「たちバサミですから」
「野田さん、野田小夜子さんは生きて―――」
「生きてません」
「じ、じゃあ、“野田さんが死ぬ前に先生にこのハサミを刺したけどその場では死なず、数週間後に死んだ”ってのは?」
「無いですね」
「“後ろ向きに転んで刺さった”とか“自分で刺した”ってのは?」
「全面的に無いですね」