僕の中の十字架
「なら―――」
「落ち着いて下さい。とりあえずそのハサミ置いて下さいな。指紋とって血ぃ拭いたとはいえ、まだルミノール反応出ると思いますよ」
「し、も、ん?」
「そう。し、も、ん」
「あったの?」
「ありましたが、血で滑りまくりでよく解らねぇから、あんま役に立たなかったそうです」
「で?」
「で、鑑識の友人がムカついて血を洗い流してる時にかっぱらいました」
「うぉおい! お前がアホならお前の友達もアホだな!? なんか、やっちゃいけない事だぞ!」
「へぇー」
「もっと深刻になれ」
「………うぃ」
「―――――にしても、何でだろうな」
「何でド○モショップに一時期在った絵本の主人公が黒柳徹子さんに似てたのか、ですね?」
「違うよ!? 確かに目元とかソックリだけどね!? っていうか知らない人からしたら意味不明だよ」
「何で野田のハサミがこんなに小さな取っ手なのか、ですね?」
「違うよ!? 確かに小さいけど!」
「何で先生の首にコレが」
「コレはマドラー! どうやってささんのこんなプラスチック!! ハサミだよハサミ! 何で刺さってたのかねって話!」
「マドラー?」
「ハサミ!」
はい、お疲れ様です。
長い対話を止め、暫し野田さんのハサミを見つめて思案にくれる二人。
ちなみに、ボケてた方が富士原ね。
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