ラブストーリーを一緒に
そう思うと、頭の中のたくましい想像力が目の前の男と母親の姿を浮かび上がらせて―――







「…あの……いいんです、そんな…わたし、別にそういうことがわからないほど子供じゃないですし…」



しどろもどろになりながら、言ってることと矛盾して泣きたくなってくる。



「…ちょっと待て、暴走すんな」



端正な顔を引き攣らせながら、男は大きな手を自分の額に当てた。



頭痛をこらえるように。



「察したくはないが、読めてきた…。おまえはおそらく大いに勘違いしてる」



うんざりしたようにため息をつかれたけど、むしろそれはこっちの立場だと思う。
< 10 / 138 >

この作品をシェア

pagetop