ラブストーリーを一緒に
お母さん…



毎日毎日、仕事だー仕事だーって遅くなってたくせに、



男の人がいたなんて…。






落ち着いて考えれば、うちの両親はとっくに離婚してるわけだから「愛人」という表現はおかしいわけだけど。



じっ…と相手の顔を見つめると、一瞬怯んだように見えた。



バスタオルを腰に巻いただけの姿なのに、まるでファッション雑誌の一ページから抜け出たように、造られた色気がある。



年は二十代だと思うけど、妙に落ち着いた様子もあって。



今まで感じたことのない、心の奥底から響いてくる心臓の高鳴りは、



突然知った出来事に驚いてるだけだって、自分に言い聞かせた。
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