ラブストーリーを一緒に
自分の気持ちに気が付いたからって、読む本にまで影響するとは思わなかった。


それだけ、わたしの中の『ハルカ様』は特別だったし、もちろんリアルの…気持ちも初めてだったから…





「何してんだ?深見」


「森くん…」


振り返ると、教室と同じく夕焼け色に染まった男の子が、


斜め前の席から、スポーツバッグを手にするところだった。


「んっと、トモの部活が終わるの待ってて…」


頑張って笑顔を作りながら答えてみるけど、森くんはあっそう…とムスっとして言うだけ。


…だからリアルな男の子って、苦手だ。
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