ラブストーリーを一緒に
「そんなんじゃ治るものも治りませんよ…」


遠慮がちに目的のものを取り出して、ピリリっと透明のフィルムを剥がす。


おずおずと手を伸ばすと、わたしの様子に気が付いたのか先生が顔を上げた。


「……なんだよ」


う…


鋭い眼光に一瞬怯む。


…え、えーいっこうなったら当たって砕けろだ!!


目をつむって一気に―――




…ペタリ。




「そそそれ貼って、大人しくしてて下さいね…っ」


真っ赤な顔をあさっての方向に向けながら立ち上がろうとした時、


急に手首をつかまれた。
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