ラブストーリーを一緒に
―――…あれ…


先生が固まってる。


「…先生…?」


おずおずと見上げると、深々とため息をつかれた。


「…宣言の内容…変わってねーか…?」


「え?」


「…なんでもねぇ…」


先生は諦めたように眼鏡をサイドテーブルに置いて、わたしが必死に締め付けていたパソコンをベッド脇によけた。


そうして、毛布をつかんでゴロンっと今度は仰向けに寝そべった。


「…………寝る」


「あ、はい…。あっじゃあこれ…」


買ってきた薬を差し出すと、先生は黙って口に含んでペットボトルの水を飲み干した。


「…なんつーそっくりな親子だ…」


この呟きは聞かなかったことにして…


再び横になった顔は仏頂面のままだったけど、


シートを額につけたまま赤い顔をして目をつむる先生は、なんだかかわいかった。


「…おやすみなさい、先生」
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