ラブストーリーを一緒に
わたしはカサカサとビニール袋からポカリを取り出して、サイドテーブルに置いた。


部屋を出ようとしてふっと振り返ると、


先生はすっかりふて腐れてしまったのか、寝返りをうってこちらに背中を向けてしまっている。





…あの人が、香月遥…なんだよね…





パタン…と静かに扉を閉めると、ずりずりと力がぬけて、そのままぺたりと座りこんでいた。




「……はぁぁぁ……」




バクバクと波打つ心臓を宥めようとするけど、うまくいかない。




だって…そんな…




まだ信じられないんだもの…




「…お母さんのバカ…」




人の気も知らないで、さっさとわたしに鍵を押し付けて自分は仕事だって。
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