ラブストーリーを一緒に
彼女が指し示す先は、まぎれもなく…


「ハルカ様の連載が来月から始まるんだってー!!」


そう言って、トモはきゃぁ〜っとはしゃぐ。


「そう…なんだ…」


じっと、予告ページに書かれた『香月遥』の文字を見つめながら、浮かんできた顔を必死に打ち消そうとした。


…だめだ…


わたし、事あるごとに先生のことを思いだしてる。


あれから一週間。


お母さんは相変わらず多忙で顔を合わすことも少なくて、先生の状態がどうか、確かめたいけどできてない。


今では全部夢だったんじゃないかって気さえしてる。


もう、風邪はよくなってると思うけど…


再び一人で部屋に出向けるほど、厚かましくはなれない。
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