ラブストーリーを一緒に
一人不安になってぐるぐると考えを巡らすうちに、先生の声が聞こえてきた。


「暴走すんな。そうじゃなくて…この間は世話になったな」


「えっ」


予想外の言葉に戸惑う。


余計なお世話じゃ、なかったのかな。


ドキドキと高鳴る心臓が、妙に心地いい。


「礼がしたいんだが、ここんとこちょっと仕事がたてこんでて…悪いんだが家に来てくれるか?」


聞き間違いかと思った。


「今週の土曜、昼くらいとか…あーもちろんおまえの母親の了承は―――」


「喜んで伺います!!!」


先生が全部言い終わらないうちにでっかい声でそう答えたわたし。




また…先生に会える…




そのことで頭がいっぱいだったわたしは、ぶちっと勢いにまかせてきってしまった電話に、全く気付いていなかった。
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