ラブストーリーを一緒に
「ふぐっ…ふぐっ…!?」



なんとか抵抗しようと試みてはみるものの、



手にはどでかい紙袋があって、思うように振り払えない。






「――あー…頼むから暴れるな」



「――〜〜っ!!?」



そのまま男は、あろうことかわたしをがっしりと抱き上げて、玄関の中へと押し入れる。



口を塞ぐ手は骨張っていて大きく、ほのかに石鹸の香りが鼻孔をくすぐった。






―――ガチャン






と、無情な音が聞こえた時には、



わたしは見知らぬマンションの妙に広い玄関先で、



ほとんど裸の男に口を塞がれたまま、羽交い締めに合っている状態で―――
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