ラブストーリーを一緒に
何か、わたしでもできることがあればいいな。


その時は、単純にそう考えた。


「わたし、アシスタントですから。先生何でも言って下さいね」


そう言ってわざとらしく胸を叩くと、先生がはたっとわたしを見た。


そして―――






「そばに…いてくれ…」




「………へ………?」




聞き間違い…?




そう思って先生を見ると、切羽詰まった目で射ぬかれた。




先生……?




「おまえがいない世界なんて、俺にとっては何の価値もない…」




「…あ……」




ほんの少し掠れた低い声が、わたしを捕らえる。




なにが…起きてるの…?




全身に、得体のしれない何かが走り抜けた。




「今夜、おまえがほしい」
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