ラブストーリーを一緒に
取り残されたわたしはというと、


ほてった身体が冷めやらないまま、ただ先生の広い背中が見えなくなるまで見送った。




……こういう、オチ…なのね……




ケーキを横においやって、どさーっと力が抜けるままにテーブルに突っ伏す。


「…先生って…罪つくりな男だ…」


なんて、


勝手に勘違いしたのはわたしだけど。


でも…


「嘘でも、あんな顔するなんて、ズルイ」


追い詰められた、


ただただ、相手を切望している目。


じっと、見つめられるだけで溶かされてしまう…




「……あるわけないのに」


言葉にして否定して、自分に納得させようとする。


わたしみたいな子供、相手にするわけないのに。


ちょっとでも期待してしまった自分が恥ずかしい。
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