ラブストーリーを一緒に
泣きたくなるほど恥ずかしかったけど…


先生が楽しそうに笑ってるから、まぁいいかと思った。


「先生こそ、お腹すきませんか?」


「そういやぁ、昼食ってなかったな」


わたしも、先生の家にお呼ばれしたことで胸がいっぱいだったから、朝からろくに食べてない。


「わたし、何か作ります」


「え?」


先生が止めるより先に、声をあげた。


「わたしがお腹すいたんです。先生の分はついでに作ってあげますっ」


胸を張ると、先生は火のついてないタバコをくわえたまま苦笑いを浮かべた。


「やっぱ母親に似てるよ、おまえ」


なんて言われたっていいや。


だって、先生と今一緒にいて、笑っていられる。


「先生を餓死させないのも、アシスタントの役目ですから」


自分のことは棚に上げて、笑顔で続けた。
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