ラブストーリーを一緒に
ほとんど涙目に近かったと思うのに、男は更に確認するように顔を近付けてきて、



「…やぶったら、お仕置きすんぞ?」






だぁぁーーー……






なんでもいいから、耳に直接息を吹き込むように囁くのはやめてーーーーっ






「んぐんぐ…っ!!」



堪えるように目をギュッとつむってまたまた頷くと、ようやく大きな手が離れてくれた。



そのままの勢いで、廊下側に前のめりに倒れそうになる。



ゼーハーと息を整えながら、男の姿を視界にいれないように注意した。



「―――で、お嬢ちゃんは一体誰で、何しに来た?事と次第によっちゃあ…」



落ち着いた口調だけど、言葉の端々から不機嫌さがうかがえる。



でも、そんなことよりも何よりも…






「…あなたは、うちのお母さんの愛人…なんですか?」
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